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2021-08-12 23:26:03
戦艦「大和」の最期は…元少年兵が証言|太平洋戦争末期。軍艦のほとんどを失った日本海軍はアメリカ軍が沖縄に上陸すると航空機による体当たり・特攻を作戦の主軸にする。そうしたなか、かろうじて残っていた世界最大級の戦艦「大和」も沖縄での戦いに投入すべきとの声が上がる。
長年、戦史を研究してきた原勝洋(はら・かつひろ)さんは、「巨大で世界一といわれた大砲を持った大和がのんびりしていていいのかと、急きょ決まったといわれている」と話す。
大和への命令は、駆逐艦など10隻の艦隊で沖縄に突入し、最終的には陸地に乗り上げて戦うというもの。しかし、沖縄にはアメリカの空母機動部隊が展開していて、艦隊だけで突入できる可能性は、ほとんどなかった。
それでも、これは大和に死に場所を与えるための作戦だと理解した大和の司令部。76年前の4月6日、沖縄に向け出撃した。
この水上特攻部隊には数々の激戦を戦い抜いてきた駆逐艦『雪風(ゆきかぜ)』も含まれていた。雪風の元乗組員で、当時18歳の少年兵だった・西崎信夫(にしざき・のぶお)さんは、こう話す。
「来るところまで来たなと。もう覚悟を決めないといけないなと」
そして、出撃した水上特攻部隊。しかし、暗号を解読するなどして動きを把握していたアメリカ軍は空母機動部隊を集め待ち構えていた。
大和の前後左右から襲いかかる攻撃機。戦闘機から一斉に撃ち出される機銃弾が西崎さんの周りに着弾する。
「弾がこの頬を削っていくようなプシュップシュッというのが聞こえた。もう本当に怖い」
当時の様子をこう語る西崎さん。
無我夢中で機銃の引き金を引いたその瞬間、恐怖が別の感情に置き換わったのを自覚したという。
「今までは恐怖でしたが今度は殺意に変わる。引き金を引いているのが快感を感じるようになる。私は戦争のなにが一番怖いかといったらそこだと思いますね」
攻撃を受け始めてから2時間あまり。大和は浸水がとまらず、転覆が目前に迫っていた。
西崎さんが目撃した大和の最期とは――- 205
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