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2020-03-01 00:00:00
小石祐介×松下隆志×渋谷慶一郎「ファッションを通して見る現代ロシア文化――ポストソ連のナショナル・アイデンティティをめぐって」(2019/4/26収録)@yuurat @TakashiM2 @keiichiroshibuy【収録時のイベント概要】
現代のモードに新風を吹き込んだ旧共産圏出身の若手デザイナー、ゴーシャ・ラブチンスキー。その根底にはポストソ連のナショナリズム的意識があったーー
今やキリル文字がプリントされた服を着た日本の若者を街中で見かけることは珍しくない。
この数年でロシアをはじめとする旧共産圏の文化に根ざしたファッションは世界的な流行となった。
こうしたトレンドを担うゴーシャ・ラブチンスキー、デムナ・ヴァザリアといった旧共産圏出身のデザイナーたちは、社会主義文化と資本主義文化が入り交じる90年代のカオティックな文化を巧みに組み込み、「ポストソ連美学」と呼ばれる独自のスタイルを確立している。
一方で、こうしたファッションの表象を通して見えてくる政治やアイデンティティの問題も見逃せない。Vetementsの2019年春夏のコレクションではジョージア(グルジア)の政治問題が真正面から扱われた。また、ラブチンスキーの新プロジェクト「GR-Unifroma」では、共同体としての「ユニフォーム」というコンセプトが前面に打ち出されている。
Gosha RubchinsukiyやVetementsの服に込められた文化的背景を探りながら、ロシアをはじめとする旧共産圏のスタイルが世界的な流行となったことが何を意味するのか、今後ファッションや音楽を中心とするロシアのユースカルチャーがどのような広がりを見せるのかを考えてみたい。
『ゲンロンβ30』にエッセイ「ファッションとポストソ連文化」を寄稿した現代ロシア文学研究者・翻訳家の松下隆志氏、国内外のブランドのディレクション・コンサルティングを手がける株式会社クラインシュタイン代表の小石祐介氏、さらに音楽家でロシアのファッション、文化にも造詣が深い渋谷慶一郎氏を迎え、ファッションと文化を熱く論じる。
【イベントのページ】
https://genron-cafe.jp/event/20190426/- 107
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2020-12-01 00:00:00
大森望×松下隆志「社会主義のディストピア、資本主義のユートピアーー『われら』光文社古典新訳文庫版刊行記念イベント」(2019/11/7収録)@nzm @takashim2【収録時のイベント概要】
いまから約1000年後、地球全土を支配下に収めた“単一国”では、食事から性行為まで、各人の行動はすべて“時間タブレット”により合理的に管理されている。その国家的偉業となる宇宙船“インテグラル”の建造技師д‐503は、古代の風習に傾倒する女I‐330に執拗に誘惑され……。
20世紀ロシアの異端の作家・ザミャーチン。
その代表作『われら』で描かれるのは、
科学的な合理主義を極端に突き詰めた結果現れる、
全体主義のディストピアだ。
「SFの父」H・G・ウェルズに大きな影響を受けた
ザミャーチンは、いまからおよそ100年前に、
きわめて予兆的な作品を書き上げていた。
『われら』や『一九八四年』と並ぶディストピアものの傑作とされるのが、
オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』。
1932年に発表されたこの作品では、
共生・個性・安定をスローガンとする世界国家が
すべての欲求を管理し、合法ドラッグによる幸福状態を供給している。
ヘンリー・フォードが神と崇められる、資本主義のユートピア。
ハクスリーは『われら』からの影響を否定しているが、
両者は多くの共通点を持つ。
ソ連流・英米流のそれぞれのユートピア/ディストピアは、
どのような関係にあるのか。
その今日的な意義とはどのようなものか。
『われら』の新訳を手掛けた気鋭のロシア文学者・松下隆志と、
2017年に『すばらしい新世界』の新訳を発表した翻訳家・大森望が、
ディストピアSFの系譜を辿りながら、
その現代性や文学史的意義、
ロシア、スラブ文化圏におけるSFの現在に至るまで、
縦横無尽に語りあう。
【登壇者より】
『われら』は今からちょうど百年前、革命後間もないロシアで書かれた小説で、今日ではディストピア小説の古典として知られています。しかし、巨大な「壁」によって他者が排除され、「タブレット」が人間の生活を管理し、人々が「われら(味方)」と「彼ら(敵)」に分断されているという内容は、まさに21世紀の現代にこそアクチュアルな意味を帯びてくるのではないでしょうか。
同じくディストピア小説の古典である『すばらしい新世界』との比較を通して、現代におけるユートピア/ディストピア的想像力の可能性を探っていきたいと思います。
(松下隆志)
社会主義のディストピア、資本主義のユートピア – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20191107/- 99
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2019-08-01 00:00:00
福冨渉×松下隆志×上田洋子「タイとロシアの新しい文学――ポストモダン以後の言葉とアイデンティティ」 @sh0f @TakashiM2 @yuvmsk【収録時のイベント概要】
タイとロシア、2つの国はいっけんなんの関わりもない。
しかし、よく見てみると、重大な共通点があることに気づく。
タイはヒンズー教文明圏、ロシアはギリシア=キリスト教文明圏と、
それぞれ大きな文明圏の周縁にありながら、どちらも「大国」としてプライドを保ち続けてきた国なのだ。
じつは日本も同じ条件を抱えている。
タイとロシアは、時期は違えど、どちらも文学の後発国である。
そしてどちらの国でも現代文学が力を持ち続けている。
いまだに文学と政治が近い。
これらの国で新しい文学はどのように生まれ、どのように読まれているのか。
ポスト・ポストモダン文学のいま、どのような流れがあるのか。
タイやロシアの文学を日本で翻訳し、議論することは、いま、どのような意味を持っているのか。
文学から見る「地域大国」論ができればと思う。
『ゲンロン』にプラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』の翻訳を連載中の福冨渉と
ウラジーミル・ソローキンの翻訳者でロシア現代文学の第一人者・松下隆志が論じる
最新の現代文学論。司会はゲンロンの上田洋子。
プラープダー・ユン、ソローキンの新作をはじめ、最新の文学が俎上に上がる
タイ・ロシアイベント第2弾!
【イベントのページ】
https://genron-cafe.jp/event/20180525/- 93
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