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2014-11-12 11:47:33
日本文学・文化を捉え直していく方法―まんが・アニメ・ラノベと世界文学という地平― 大橋 崇行(作家)×河野 至恩(文学研究者)@ジュンク堂池袋本店2014/11/1収録大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史』(笠間書院)刊行記念トークセッションこれまでの「オタク文化」言説では、日本のまんが、アニメーションが、あたかも日本固有の特殊なものであるかのように考えられてきた。果たしてそれは正しいのか。「まんが・アニメ」文化は実は、「文学」を含めたそれ以外の文化・メディアとの関係性を踏まえて検討することで、初めてその実態と全体像が見えてくる。本セッションでは、いわば囲い込まれて局所的に論じられ続けてきた日本文化・文学を、根底から捉え直すための方向性を探っていく。「ライトノベルを起点に〈少女小説〉〈少年小説〉に戻り、日本の物語文化を見直す」という目論見によって書かれた大橋氏の新著の議論を軸に、『世界の読者に伝えるということ』(講談社現代新書、2014年)の著者・河野至恩氏と、日本文化・文学をどう捉え直していくか、異なる文化や言語との関係性や、世界文学という地平まで視野に入れ考えていきます。【講師紹介】大橋崇行作家、岐阜工業高等専門学校助教。1978年生まれ。ライトノベルに『妹がスーパー戦隊に就職しました』スマッシュ文庫(PHP研究所、2012年)、『桜坂恵理朱と13番目の魔女』(彩流社、 2014年)。小説に『ライトノベルは好きですか? ?ようこそ!ラノベ研究会』(雷鳥社、2013年)。評論に(共著)『ライトノベル研究序説』(青弓社、2009年)、『ライトノベル・スタディーズ』(青弓社、2013年)。校訂等に、山田美妙作・十川信介校訂『いちご姫・蝴蝶 他 二篇』(岩波文庫、2011年11月 ※注釈を担当)、谷川惠一・大橋崇行校訂、解題『山田美妙集6巻』(臨川書店、2013年)。全国大学国語国文学会平成25(2013)年度「文学・語学」賞受賞(「美妙の〈翻訳〉ー「骨は独逸肉は美妙/花の茨、茨の花」の試み」(『文学・語学』206集掲載))。河野至恩文学研究者(比較文学・日本近代文学)。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科・国際教養学部准教授。1972年生まれ。県立静岡高校卒業後、渡米し、ボードイン大学で物理学・宗教学を専攻。プリンストン大学大学院比較文学部博士課程修了(専攻は日本近代文学・英文学)。プリンストン大学非常勤講師、オハイオ州ウィッテンバーグ大学ティーチングフェロー、ウィスコンシン大学客員助教授などを経て現職。2012年、ライプツィヒ大学客員教授としてドイツ・ライプツィヒに滞在。著書に『世界の読者に伝えるということ』(講談社現代新書、2014年)、訳書にHiroki Azuma,Otaku:Japan's DatabaseAnimals(東浩紀『動物化するポストモダン』の英訳、ジョナサン・エイブルと共訳、2009年)、アルバート・ウェント『自由の樹のオオコウモリ』 (日本経済新聞社、2006年)など。
・・・勉強になる意見もあったけど、大部分が補足的で、中心がなかったという感想 この対...
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2014-12-08 12:46:36
内外の専門学者が気づいていない日本語運用の巧妙なメカニズム 小松英雄(日本語学者)@ジュンク堂池袋本店2014/11/15収録○日本語に清音と濁音との二項対立があることは日本人にとって当然のことなので、それが世界で唯一のすばらしい運用システムであることに気づいていないし、どこの言語にもない現象であるために、外国人の学者は自国の言語の音韻体系のなかにある音に当てはめて理解してしまい、日本語にそういう珍しい対立があることを見逃している。○古典文法で《係り結び》とよばれている現象も日本語だけにしかないために、外国の言語学者に干渉されることなく、また、学校教育でも国語学者が取り違えた機能を教えて学習者を苦しめている。○音便や連濁についても同様である。○悪い意味で日本独特である古典文法や、古典文学作品の浅薄きわまる解釈の横行は、専門学者がテクストをきちんと読まずにつまみ食いして論を立てていることに起因している、《読まないから読めない、読めないから読まない》の悪循環を断ち切って、正統の手順を踏んだ研究成果を世に送ることが研究者に課せられた任務である。○以上のことを、実例をあげて、また、用語についても、わかりやすく説明する。※本トークセッションは、小松英雄『日本語を動的にとらえる ことばは使い手が進化させる』(笠間書院、2014年11月)刊行記念として行ったものです。【講師紹介】小松英雄(こまつ・ひでお)1929年生まれ。筑波大学名誉教授。日本語学者。著書に、国語史学基礎論(笠間書院)、いろはうた(中公新書)、徒然草抜書(講談社学術文庫)、やまとうた(講談社)、仮名文の構文原理(笠間書院)、日本語書記史原論(笠間書院)、日本語はなぜ変化するか(笠間書院)、日本語の歴史 青信号はなぜアオなのか(笠間書院)、古典再入門 「土左日記」を入りぐちにして(笠間書院)、丁寧に読む古典(笠間書院)、伊勢物語の表現を掘り起こす 《あづまくだり》の起承転結(笠間書院)、平安古筆を読み解く 散らし書きの再発見(二玄社)、等がある。
「巧妙」のような、いかにも「日本語が優れている」という意見が覗く表現は、タイトルだけで敬遠されると思う。そもそもどの言語も各自巧妙な運用をしてるよ
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