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2024年4月29日 06時22分に生成された05時00分のデータです
2022-07-27 18:30:00
ヒナゴンクエストⅣ Part.1幼少の頃、ドラクエⅣを遊ぶ兄の隣で一緒にゲーム画面を見ていた。物語を理解せずとも何んとなしに楽しんでいたが、私は心の機微を知らない子供だったので、深い所を感じとる事は出来なかった。
ある日、兄がいつものようにファミコンを起動すると、デロデロと不快な電子音が流れた。呪いの曲だ––この忌々しい旋律が、心の準備も無しに耳に入る事ほど恐ろしい事も無いだろう。不意の出来事に驚いたが試練はこれからで、ほどなくして画面に表示されたメッセージに私たち兄弟は釘付けになった。
『おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました』
この現象は初めて見るが、セーブデータが消えたことは子供でも分かる。恐る恐る隣を見ると、さっきまでニコニコと笑っていた兄の表情が消えていた。静寂で部屋が凍り付く。私は悩んだ。ここから黙って抜け出すか、声をかけるべきか。しばし逡巡していると、呪詛の瘴気に当てられて兄が狂い始めた。絶叫して手当たり次第に物を投げたかと思えば、逃げるタイミングを失った私の顔に腹いせの鉄拳が飛ぶ。何度となく殴りつけられた私はドラクエを恨んだ。セーブデータを消したドラクエのせいだ。この痛みは全てドラクエが悪いのだ。
電車に揺られながら、今朝見た夢を思い出して頬の傷を撫でる。呪いは私の顔に生涯の傷痕を残した。おかげで引け目の多い青春を過ごすハメを見たが、それは過去の話。今や私は人生の春を謳歌している。きっかけは雛菜だった。283プロに就職して彼女と出会い、心を奪われた。
事務所に到着し、リビングの扉を開ける。––絶句した。訳が分からないが、そこに半透明になった雛菜が横たわっている。鞄を投げて駆け寄る私に彼女が嘆いた。
「雛菜、毎日ごろ~んしたいだけなのに……」
雛菜は人間の幸せを食べる「本物の」妖怪だ。空気中にただよう幸福エネルギーを少しずつ吸収することで健気に生きてきた。しかし、今や世界はあまりにも不幸に満ちている。雛菜が摂取出来る栄養などとうに残っておらず、彼女はみるみるやつれていった。衰弱する雛菜が妖怪だと知った時は驚いたが、これは彼女に恩返しをする良い機会だと思った。私に人生の喜びを教えてくれた雛菜に、たくさん元気になって貰おう。弱りゆく彼女に、私は持てる限りの愛情を注いだ。
けれども全ては虚しく、いま雛菜が消えようとしている。嫌だ!彼女の体を揺すって何度も名前を呼んだ。
「今までありがと~、ばいばい~……」
取り乱す私の前で雛菜が笑って、消えた。存在の消失を感じたその瞬間、頬からドッと血が流れた。古傷が痛み、封じてきた思いがあふれだす。ドラクエが憎い。雛菜を消した世界が憎い。昔は分からなかったピサロの心が、ようやく理解出来た。<後半に続く>この曲聴くとキングレオのCM思い出す すぎやん本当神曲しか作らんなあ 何言ってんだお前は これがいちばんたのしみだった これがいちばんたのしみだった 草 迫ってくる雛菜すき ヒナナッ!(威嚇) ヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナ 作ってる想像するだけで脳が...
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